■ 六日目:衣食足りてなんとやら
漂流六日目。
リーフェは本格的に脱出の方法を練る方針を固め、島の中を探索していた。
イカダの材料になりそうな木材を切り、帆になりそうな布を探す。しかし、いざ素材が集まってみるとなんとも心許なかった。
「これで海を渡るのはちょっと無理だよね……?うーん……」
元々そう頭がいいわけではなく、レシピも初めの便箋に載っていたものを試行錯誤しているだけだ。リーフェにこれ以上のものを作るのは難しい。
「やれることはやったし、あとは天に任せるしかないかな。……大丈夫だよね、きっと」
幸いなことに、食べ物や飲み水にはもう困らなさそうだ。もし潮が満ちてきたとしても……仲間と力を合わせれば、きっとなんとかなるだろう。そんなふうに気楽に考えて、木を集めていた時のおまけの材料で作ったクッションを枕に横になる。
「そういえば、枕投げ楽しかったな……疲れて寝ちゃうまで、また遊びたいな」
六日目の夜が更けていく。もうすぐ、漂流から一週間が経とうとしていた。