Eno.361 使命を失った陶器

■ 建設の記録

日中は魚が取り尽くされていることが多くなってきた。これからは早朝を主な釣りの時間とする。


石材とロープ、丸太を使って石像を建てた。

材料はほとんど貰い物だが……。
理子はいつも嫌な顔ひとつせずに材料を渡してくれる。

私は無心で石を積み上げ、彫り上げた。

削りすぎて少し小さくなったのはご愛嬌だ。


こういう文化的活動が精神の状態に与える影響は大きいようで、私は充実した時間を過ごす間、未来の不安を考えることがなかった。


建設を終えた今、心地良い疲労感と達成感を確認。
本来の使命を果たせなかった私の、新たな役割かもしれない。、