Eno.41 カーシー・バクスター

■ そろそろきっと

そろそろきっと船が通る!
そんなふうに信じながら作業をしている。

水も豊富で食べ物も困ってない今の状況で、
無理に動く方がもったいない気がするけど……
僕は自分の仕事をしていたほうが落ち着く。
水は誰かが集めないといけないしね。

ご飯は人にまかせちゃってるから、もし供給がないと大変だけど
その時は、大人しく作業を止めてのんびりしようかな。

さいしょの便箋通りにいけば、もう船は近くに来てる。
みんな、帰れる……きっとそうだ。
唯一のこころのこりになりそうだった、ミソニの『これから』も決まって。
僕らのものがたりは、僕らの世界に帰っていく。


あんまり好きくなかった、バームクーヘンみたいなきのみも
万が一のため持って行くことにした。
お水はたくさんあるからね。

落ち葉や野草は、島に返すことにした。
指輪みたいな人工物はできるかぎり持って帰るつもりだ。
この指輪のもとの持ち主も、無事だといいな。

さて、今日が最後だと思って仕事しないと!
みんなきーっと大丈夫!
お母さんにもお父さんにも、きっともうすぐ会える!
船を信じて、待つしかないね!