■ 少年の記憶──14(7DAY)
──『がんばりの証』
『がんばった傷は勲章』──
少女とそんなやり取りをした日もあった。
そう、オレの胸の傷は"勲章"なんだ。
自分で自分に贈った。
がんばった証。
だからその道を選んだことに悔いはないに決まってる。
それに、これで全部が終わりだなんて思ってもいない。
オレはきっとまた目覚める。
あの『未知の島』で。
ココも十分おかしな島で面白いし探検のし甲斐もあるけどさ。
でも違うんだ。
肉体の死を迎えても、魂が囚われ何処にも行けなくなっているから。
帰るためには向こうでがんばらないとな。
『ゆうれい島』に漂着したのは、たぶん魂の欠片。
そのせいで記憶が曖昧で、頭の中がピースの欠けたパズルみたいになっていたんだろうな。
なんで欠片が抜け出せたのかは首を捻るとこだけど、何となくこうじゃないかなって思うことはある。
▛▚▘が遺してくれた星の形をした黄色の花束。
あれがほんの少しだけ、囚われの魂の欠片を解放してくれたんだ。
そんな気がする。
腹は減るし喉は乾くし暑いし寒いし、サバイバル生活はもう懲り懲りだぜ。
でも、おかげでミコにミケ、それにおばけにも会えた。
『あの世もどきの島』での日々は楽しかったな。
この島は、もしかしたら『現世』と『幽世』の狭間にあるのかもしれない。