Eno.477 ネバース

■ 09.Birth

生まれ、生まれ、生き、生き

喜び怒り哀しみ楽しむ。

生きいるは楽しいね。とも、とも素敵なことだね。

生まれ、生まれ、生き、生き

衣をまといなにかを食べどこかに住む。

生きいるは忙しいね。とも、とも素敵なことだね。

生まれ、生まれ、生き、生き、生きいく。

もっと生き、さらに生き、それでも生き、最後まで生き、そし眠る。

それはとも素敵なことだね。





生きいる命がまた生まれることはない。生きいるならもう生まれいるから。

生まれいない命が生きいるをすることはない。生きいるためには生まれくる必要があるから。



生まれるの前に生きいるを始めしまった僕は、もう生まれることはできない。

Never─
ネバース
─Birth


それが僕を"僕"として認識した僕の名前だ。



生まれいない僕は本当なら生きいるができない。

何だろうね、何だろうね。僕は何と何の間から生まれくるはずだったんだろうね。



僕は、僕は、生きいるが特別だったから。生まれるの前に生きいるを始めたのに生きいるができいることが奇跡だったから。

この島と一緒に沈もうと思っいた。きっと生まれるをしいない僕は、苦しくないから。






でもね、でもね。

生きているは楽しいね。生きているは素敵だね。



僕は生きているを続けることにした。