■ メモ⑥

もう１週間がたった。
比較的のんびりしてたな。
あァ、元に戻ったらまた忙しい日々だよ。
だからちょっと長い休暇をもらったと思おう。

問題は時乃の嬢ちゃんだ。
傷だらけだし、ずーっと心残りだったんだがよ。
でも１週間では心を開いてはくれなかった。
ここから出たら一緒に過ごすことも出来ねーしな。

まァしょーがねェ。しょーがねェさ。
こんなナリでは信用できるモンも出来ねーか。

ま、でも最終的には全員俺を人間扱いしてくれてよ。
正直感謝してるよ。
漂流したとはいえ不必要に人間と同じテリトリーに入ってしまってよォ。
そんで下手に正体探られたり驚かせて怖がらせたりしちまうとお上にどやされる。

だから何をいわれても『俺は人間』だ。
シキの嬢ちゃん以外はそもそも俺の姿に興味もねーようだしな。

……ま、それをぬいても悪くねェ日々だった。あんがとな。
おかげで次に遭難しても一人で生き残れそうな気もするしな！カカッ！


……帰ったら療養かな。それともマスコミ対応かね。
すぐ仕事の日々かもしれんな。
直近ではコボルト族の●●社との大口契約が控えてた筈だ。
コボルトであればウチの会社のホネは気に入ってくれると睨んでる。
まァかったりーけどな、やるしかねェわ。