Eno.53 直江

■ 七日目

七日目。それももう夕方だ。

備蓄しておいた食料と水をまとめ、岩場の我が家を出る。
短い?間だったけど、そこそこ快適だったかな。

しっかりとした足取りで砂浜に向かう。
ここは始まりの場所。終わりを迎えるならここしかないと。そう思った。

本当に船は来るの?
なに、来なかったらまた小屋に戻ればいい。

島が沈み始めたら?
その時はその時。私に何ができるっていうの?

砂浜に到着すると、ブルーシートを広げ、そこにちょこんと座り、
この一週間の出来事を、なんとなく思い返す。

特に不便はなかったけど、次が…もし次があるなら、もうちょっと他の人たちと話をしてみようかな…。

波の音を聞きながら、そんなことを漠然と思っていた。

穏やかな海。その水平線。
ちょうど夕日の頭が、その向こうへと隠れようとしているところだった。