Eno.437 水鳥川 紅信

■ 運命のダイスロール

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“あの子は俺のアンフィトリテじゃなかった。”
“だから俺はポセイドンじゃなくトリトンだと思った。”

“あの子はペルセポネーだった。”
“冥界に咲く花。”
“自ら柘榴を食べ、傍に居る事を選んだ。”

“……もしかしたら、”
“俺のアンフィトリテは見つけていないだけかもしれない”
“……なんて、言ったら笑うだろうか?”

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サイコロを振る。
奇数が出れば〇、偶数が出れば×。
奇数が出れば────イカダを使う。
そう、心に決めて、ダイスを振った。


…………“4”。
不吉な数字ではあるが……偶数。

イカダには乗らない。
というか作らない。





「…そも、イカダの作り方が思い出せん。」




うーん、最後まで締まらんヤツめ!