■ それは夏のせい！
パーティは楽しかったなー！希望Tシャツ配布しちゃった上に結局俺がアヒル隊長だって事を誰にも打ち明けられなかったけどなー！ホント、楽しかった……
…んでだ、結局の所、俺は海には行ってない。最後の記憶は夏のはじまり…シューやんの家に貴志とバランガと一緒に泊まりに行く、ってやつだっんだよ。泊まり込んでゲームしようぜ！お前アタッカーな！みたいな感じでさ…
あいつの家は駅からちょっと離れててさ？地下通路も無い、日を遮るものもない道ってやつだからいやー暑い暑い！
しかも馬鹿なことに、俺、お菓子は持っていってたのに水を忘れて来てたんだよ！しかも寝坊して遅れる焦りで走っちまってさ？体の水分は持ってかれるわ、塩分はどっか行くわ、カラカラになる頃には自販機もコンビニもねーわ…
まー俺は熱中症になったって訳よ、よりにもよって川の近くで。
そっからは一日目に至る。だからどう帰れるかは分かんねー！川だぞ川、海だーって適当に思ってたけど川だったんだぞ！？
普通なら川から海に流されて生きれるとは思えねーし、正直くっそこえーわ！
え？海水飲んだやつのセリフがそれか？って
……
それは………そうなんだが……
まー帰れるといいな！って事で！
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…あれ？見知らぬ…ちげーな、かなり昔に見慣れた天井？
病室だ、腕には点滴が付いている、部屋は勿論涼しい。
体は…痛くない？けれどもぼーっとしてる。
でも声と姿は見える。
やっと起きたか…大変だったんだからな？色々
おいおい！？その言い方は倒れてた人に酷いと思うなー！？…っとと、おはよ、幸っち！住くんは今ちょっと飲み物取りに行ってるよー！
ああ、本当に戻って来たんだな？あの島の事は夢だったのか…？
幸っちどうかした？大変だったんだよー？熱中症で倒れてたんだから、少しでも遅かったらもっと不味かったんだよ？
扉が開く音、貴志が来たようだ。俺の顔を見るなりすっごく泣きながら
生きてた！！よかった！！！馬鹿！バカケイ！飲み物くらい常に持ち運べ馬鹿！！
って言われた。次からは気をつけよっと…
そういや、俺の荷物…ってかカバン、って何処にあったりするんだ？
そう言ったら3人揃って「そこ」って指さした。
………数秒の何も無い間の後、そっと貴志が取りに行って渡してくれた。
…なくなっててほしくない、ちゃんと、思い出は残ってて欲しい。鞄を漁る。
…泊まる時に持ってた着替え、時計はある。…お菓子は無い…………
………鞄を漁る
…がさり、ごそり。
あった、あった…！ 写真を見つめる。
確かに、あの時、あの島で撮った写真だ…！…皆の写真だ…！
3人とも驚いてた、聞いてた話だと熱中症の奴が写真持って泣いてんだもんな、そりゃそうだ…
…でも、でも！…夢じゃなかったんだ！ちゃんと、ちゃんと体験した事なんだよ……
俺は涙が止まらなかった。
ちゃんと体験した…？その話、…落ち着いたら、聞いてもいいか？
写真？……へー良いじゃん良いじゃん！皆生き生きとしてるね！…あっ、ロボットも居たんだ！
ちょっと待て、こっちの人は腕から羽が生えてんのか！？…この人はウナギっぽいし…
なあ、シスターっぽい石像やアヒルっぽい石像には突っ込まないのか…？
…そうだ、そうなんだよ、色んなことがあったんだ、あの短期間に。時間が経つ度思い出が増えてさ…楽しかったな。
だから、声を張って
そうだろ？写真に写ってる皆良い奴だったんだぜ？折角だから、その辺含めて、この写真を撮るに至った思い出、全部話してやるよ！
俺はそう言った。