■ 島での生活の終わりと旅立ち……なのかな
島に来てから一週間とすこし。
迎えが来た。
一週間と少し。10日間は経っていない……と思う。
ここでの生活も、もうすぐ終わり。
船は来たんだから、もう、終わりと言ってもいい。
楽しかった。
大変だったけど……すごくすごく大変だったけど、でも、楽しかった。
私一人だったら、たぶん、3日も生きていられなかったと思う。
例えば、水をそのまま飲んじゃいけないってことを知っていても、それに気をつける心の余裕が持てなかったと思う。
何より、さみしくて……孤独に耐えきれなかったと思う。
でも、島にはみんながいてくれた。
神出鬼没で、いつも頼もしくて、元気で、お姉さんみたいに思っていたヨルさん。
手先が器用で、いろいろなものを作ってくれて、島で眠ることを怖くないと思わせてくれたムゥちゃん。
ムードメーカーで、みんなと話して、島をいつも楽しい雰囲気にしてくれたミメシスさん。
毎日すてきな曲で島の生活を彩ってくれたり、笑顔や仕草でみんなをほわほわさせてくれたエルツちゃん。
みんなのおかげ。
きっと、一人でも欠けていたら、こんなに楽しくこの島で生活することはできなかったと思う。
……また、みんなに会えるかな。
ミメシスさんは同じ国っぽいからご挨拶できるね。
エルツちゃんは、ムゥちゃんと一緒に行くみたい。
ヨルさんはどうするんだろう……
幽霊って、動いたりできるのかな。
地縛霊、だと動けないよね……
……あっ、でも、ヨルさん、マネキンに乗り移ってたりしたから……だいじょうぶ、なのかな……?
みんなで会えたら、また会いたいな。
いつか、おばあちゃんやおじいちゃんにも紹介できたらいいな。
帰ってきてから何度も話していた、私の大好きなお友達……島で会ったみんなだよって。