Eno.81 戌亥ヌイ

■ 島での生活の終わりと旅立ち……なのかな

島に来てから一週間とすこし。

迎えが来た。

一週間と少し。10日間は経っていない……と思う。

ここでの生活も、もうすぐ終わり。
船は来たんだから、もう、終わりと言ってもいい。

楽しかった。
大変だったけど……すごくすごく大変だったけど、でも、楽しかった。

私一人だったら、たぶん、3日も生きていられなかったと思う。
例えば、水をそのまま飲んじゃいけないってことを知っていても、それに気をつける心の余裕が持てなかったと思う。

何より、さみしくて……孤独に耐えきれなかったと思う。

でも、島にはみんながいてくれた。

神出鬼没で、いつも頼もしくて、元気で、お姉さんみたいに思っていたヨルさん。

手先が器用で、いろいろなものを作ってくれて、島で眠ることを怖くないと思わせてくれたムゥちゃん。

ムードメーカーで、みんなと話して、島をいつも楽しい雰囲気にしてくれたミメシスさん。

毎日すてきな曲で島の生活を彩ってくれたり、笑顔や仕草でみんなをほわほわさせてくれたエルツちゃん。

みんなのおかげ。

きっと、一人でも欠けていたら、こんなに楽しくこの島で生活することはできなかったと思う。



……また、みんなに会えるかな。

ミメシスさんは同じ国っぽいからご挨拶できるね。
エルツちゃんは、ムゥちゃんと一緒に行くみたい。

ヨルさんはどうするんだろう……
幽霊って、動いたりできるのかな。
地縛霊、だと動けないよね……
……あっ、でも、ヨルさん、マネキンに乗り移ってたりしたから……だいじょうぶ、なのかな……?


みんなで会えたら、また会いたいな。


いつか、おばあちゃんやおじいちゃんにも紹介できたらいいな。

帰ってきてから何度も話していた、私の大好きなお友達……島で会ったみんなだよって。