Eno.103 逢樽 颯

■ █月█日から、……

便箋に記された通り、無事に船が着いて……
これまで苦楽と共にしたみんなとも、これでお別れだ。

きっと生きる世界が違えば生きる時間も違うことだろう。
もう会えないと思うとちょっと寂しいけど、まあ一期一会とも言うじゃないか。
ただ失うだけではなくて、事故が切欠とはいえ目一杯の夏の思い出ができたのだ。
なつやすみのにっきにでも書いたら、クラスで大盛り上がり間違いなしさ!
……そんなもの、JKの夏にはないのだけれど。






ううん、やっぱ寂しいな!
どれだけ強がっても寂しいものは寂しい。
ぶっちゃけこの後も冷房の効いたファミレスで遭難感想会したいし、都会のゲーセンで遊びたい。
そうさ、JKは欲張りなんだから。


だから。
またね、って。そう言ってやるんだ。