Eno.113 はんぱハーピィのカラカ・ラクゥ

■ 短い夏と冒険のおはなし

手紙にあったとおり、自分達を救う船がやってきて。
長かったような、短かったような島での生活は、どうにかハッピーエンドを迎えられた。

漂流した思い出が、ひと夏いちばんの思い出になるなんて。
きっとここにくる前の自分には信じてもらえないだろうな。

楽しみにしてた鍋パーティーの予定は、自分ごと流されてしまったけれど。
その代わりに手に余るほどのお土産話を手に入れた。
(あと、ちゃんと鍋も持ち帰ることができた!)
それに、お鍋こそなかったけれど、とっても贅沢なパーティーも、参加できたから……自分としては大満足だ!

ここで出会った、たくさんの大事なお友達。
きっと、帰る先はそれぞれなんだろうけれど。
別々の家に帰ったって、忘れることはないはず。

「だって帰ったら、自慢のお友達の話……いろいろな人に、めいっぱいすることになるからねっ」



忘れたくても忘れられない、そもそも忘れたいなんてわけがない!
ときどき危険で、まいにちが賑やかで。
とっても楽しかった、短くて長い夏の思い出。