Eno.138 メロ

■ エピローグ─強欲で泣き虫なお嬢様─

船に乗り込み、皆様と共に元の世界へと帰る。
各々の海に辿り着けば1人、また1人と船を降りていく。

最初は不安で胸が一杯でしたの。
だって見知らぬ方々が居て友達は何処にも居なくて、私はまた独りぼっちになったのかと。
けれど話したり協力したりふざけたり……いつの間にか私は皆様と離れるのが怖くなった程に好きになってましたの。

そんな皆様が日常へと戻っていく。
けれどそれは私も同じ。

見覚えのある景色が視界に入った。
──あぁ、お別れの時間ですのね。


「皆様、またいつかお会いしましょう」


さよならではなく、また会えると信じて。










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ねぇ聞いてモノ。
私、友達が増えましたの。……嘘じゃありませんよ!本当ですわ!
怪奇現象に巻き込まれましたが、とても素敵な時間を過ごせたの。

あ、そうだ。
島で出会った素敵な皆様の話をしましょう。
ファンタジーのような世界から来た方も、未来から来た方も……本当に色んな方が沢山居たの。

特に不憫だけど素敵なシーエルフ様のお話や不器用だけど優しい赤色のお方のお話を聞いて欲しいの。

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私はずっとお待ちしておりますわ。
貴方の故郷である海を眺めながら、貴方のように燃えるような夕焼けを見ながら。

出会った時に泣いても許して下さいね?