Eno.158 ニューマ・T

■ メモ9

本当に船が来た。島が沈むギリギリのタイミングで。
幸運というか悪運というか…とにかくどうにかなったようだ。

皆ともお別れだ。
船で救助されれば、皆元の世界を目指して帰っていくだろう。
妙に賑やかだったが和やかな遭難者達だった。資源のやり取りもスムーズだったし、非常に助かった。島の生活が何だかんだ安定していたのは皆のおかげだ。本当にありがとう。

問題は奴だけだ。
自分に助けられるのかどうかは分からないが、最後まで付き合ってやろうと思う……


【追記】


どうにか何とかなった。
左腕は失ったが、それくらいで済んだなら多分上等だ。

自分の中で少し気になることもできた。今回の休暇は…きっと…悪くなかった。
帰ったら会社の皆にめちゃくちゃ怒られそうなのだけが気がかりだ。
ともかく帰ろう。まずは船でゆっくり寝たい。