Eno.186 幻夢の囚われ少年

■ 《*Last Day*》

 



いつかどこかの島。

その波打ち際に瓶がひとつ流れ着いたようだ。

コルクで封がされた瓶の中には、お酒の代わりに布切れと落ち葉が同封されている。

あなたが開けるのであれば、布にはこう書かれている。




『あきらめるな』




拙いけれど力強い筆跡の短い想い。

別島の漂流者が、もしくは過去この島にいたかもしれない誰かが、

同じ境遇にいるものにむけて鼓舞するために流したのかもしれない。

それとも、




己自身に言い聞かせるために。




真相はわからないけれど、きっとそんな経緯だろう。

流し主は同じ空の下、どこかで力の限り頑張っているようだ。

時折、頭が痛くなるほどの睡眠をとりながら……































──『罪人』となり輪廻が終わってしまった少年は、魂が還る時まで立ち止まらない。
  その日まで、いつかまた──…