Eno.190 贖罪のインディゴ

■ SUMMER'S DAY





結局、さいしょの便箋のとおりに船はやってきた。
出港までの少しのあいだ、やり残したことをして遊んだ。



みんなで写真を撮ったり。



ヘンなものを窯で焼いたり。



ボトルメッセージを流してみたり。






私は船には乗らない。

かわりに、作ったいかだを船に繋いでもらうことにした。
この島の海域を出たら、繋いだロープを切り離すだけ。





みんなはどこに帰るのかな。
















ひとりって、こんなにさみしいんだ。










































街からひとり、子どもが消えた日。
それから一年が経って、流刑も消えた日。

街の入り江に、たったひとりの人魚が帰ってくる。










「ねえ、一緒に世界の果てを見に行こう」


「わたしと、ふたりで」










無垢なる邪悪は巡り廻る。
また夏が始まって、終わっていく。










-『贖罪のインディゴ』 おわり-