Eno.194 ルガD

■ 生還のつづき

「本当に、船が来てくれるとは思いもしませんでした」



あんな試験まで敢行したのは、此処での長期的な生活を視野に入れていたからです。
いや、ある意味では──生きられさえするなら"望んでいた"のかもしれません。
希死念慮があるわけではありません。
私は仕事第一の人間です。仕事第一の"人間だった"んです。

しかし、センセーショナルな生還は一時の華となり、
そこにある真実へスポットライトがあてられることはなく、
そうして人々から忘れ去られ……日常に戻ります。

しかし私は、承服しきれないんです。
これまで数多の真実がうそに塗り替えられていくのを看過しました。
兄の失踪でさえ、です。

それでも私は、再び元の世界で、
あの子にスポットライトを当て続ける事ができるのでしょうか?

ひとつの真実から目を背けたまま、迫真のままで居られるのでしょうか?



今となってはすべてが遅すぎたのかもしれませんが



 そうだ やりなおせばいいんですよ 



<- To be continued next game...?