■ 島、家族
森の中で妖精と出会い、拠点に合流してからの時間は濃厚なものであった
遠くから届いた声や気配だけを知っていた相手が目の前に居る
「お風呂」へ引きずり込まれそうになったりと、怖いこともあったが…
綺麗にする意味を教えてくれた"お坊ちゃん"や、温かさ、楽しさを教えてくれた"お姉ちゃん"により、「お風呂」という苦手も徐々に克服できた。
様々な食事、キノコの美味しさも学べた。危険なものもある事を再認識したが
拠点内のお気に入りの場所で皆と過ごした記憶が少女に刻まれる
一時的とはいえ、少女にとって初めての温かい時間
年齢の近い子から離れた子までが入り交じり、きっとこれが家族なのだろうと少女は想う
ここが自分の目標地点でなかったとしても、この光景こそが将来辿り着きたい理想のカタチだと
そんな気持ちを心に仕舞い込み、過ごしてきた日々が終わりに近付く…