■ 無題
水着はぎりぎりまで森林の木に引っ掛かったままで、
この島と運命を共にして、また別の場所へ流されていくのだろう。
ここでできた仲間。
そして、それぞれのつがいと一緒に。いつまでも。
***
「結局、探したけど見つからないわね。」
「どこかに紛れているのかもしれないけど。……あの水着、結構気に入ってたのにな~。」
「狭い箱の中が嫌で、ふらっと旅行にでもいっちゃったのかしら。」
桐箱がたくさんの部屋の中、片付けをしている女性は独り言ちる。
そして……収納された服を見る。
「もしそうだったら、とても羨ましいわね。」
そう、呟きつつ、荷物整理を再開した。
***
― To Be Continued