Eno.335 水着×2

■ 無題

水着はぎりぎりまで森林の木に引っ掛かったままで、
この島と運命を共にして、また別の場所へ流されていくのだろう。

ここでできた仲間。
そして、それぞれのつがいと一緒に。いつまでも。

***


「結局、探したけど見つからないわね。」

「どこかに紛れているのかもしれないけど。……あの水着、結構気に入ってたのにな~。」
「狭い箱の中が嫌で、ふらっと旅行にでもいっちゃったのかしら。」

桐箱がたくさんの部屋の中、片付けをしている女性は独り言ちる。
そして……収納された服を見る。

「もしそうだったら、とても羨ましいわね。」

そう、呟きつつ、荷物整理を再開した。


***

― To Be Continued