Eno.340 灰戸カミール

■ 後のこと。

アキラとの時間は、とても楽しいものだった。
この器に入れられて悪くなかったかもしれないと思えるほどに。
せめてまともな器だったらよかったのに。

妖精には少し時間を置いて回収してくれるよう頼んだのでまだ時間はある。
アキラをまひろの元へ案内する約束は果たせそうだ。


それを最後に、まひろの元へ行くのは最後にしよう。アキラにも近づかない。

見たくないものから目を背けていつまでも甘えているわけにはいかない。
私のような存在は、彼らと関わるべきではないのだから。