Eno.359 記憶喪失男性

■ アレ?

全く、いろんなことがありすぎた。

最後の最後まで宝を奪ったり奪い返したり、騒がしいことこの上なかった。

水と食料に困って必死に魚釣りをしていた頃が懐かしい。
砂浜、岩場、森林、森の拠点……
こうして、最後に見回っているが結局、記憶は1ミリも戻らない。
このままここで暮らすのも悪くない、とか話していたのだがな……
島が沈むとあっては仕方ないだろう。

ソウちゃんなる呼び名もあることだし、
居場所はきっと、これから探せばいい。

何はともあれまずは、あの部族の奴が言っていた鉱山だ!
そこで掘ったダイヤでがっぽがっぽ金儲け……
メガネも新しくできるし、贅沢三昧!
別荘とかも作り放題しちゃって……
もう汚いジジイとか呼ばせない!

見える、見えるぞ私の勝ち組人生が!
やっぱり人助けは最高だなァ!!

さて、いい加減暗くなってきたな。
もうそろそろ浜に戻って船に乗るとするか!

…………

………

アレ?

「船……は?」