Eno.287 部族

■ 森の民の思案1

我らが土地に立ち入った余所者を追い詰めたが、
奴等のあやつる奇怪な魔術を食らって海に落ちてしまった。

浜に辿り着いてほっとしたのもつかの間、
どうも島の様子がいつもと違う。

波の打ち寄せる浜の形、
砂の色、風の匂い、
どれをとっても知っている島の風景ではない。
島に住まう精霊たちさえ姿かたちを変えてしまっている。

我らの土地に何が起きたのだろう。
みなはどこへ行ったのだろう。

やはりあれを余所者に盗まれたせいで
精霊の怒りを買ってしまったのだろうか。