Eno.464 クラリス・パーペチュアル

■ おしまい

ようやく船が来た。もうじきこの島は海に沈むらしい。
〝この世界〟の津波の強さがどれほどかはわからないが、小屋、窯、拠点、ドラム缶風呂……それと罠と飲み水確保のための設備は、恐らく軒並み流されるだろう。

結局三つ目の石像も建ててしまった。
最後は所謂〝デフォルメデザイン〟の私とススキ。
でも材料を三つ分用意できるなら後二つの石像は一人ずつにしても良かった。
先を見通すのは難しい。完全に娯楽品だけど。
大量の石材を使った像たちだが、これらも海に流されてしまうのだろうか。
そう考えると少し寂しい気もする。石像は他より重いはずなので。

結局ミネラルウォーターはサバイバル中には飲まなかったので、帰る前に飲んだ。
これからはまたいくらでも飲めるから。

それから最後に。
どうやらいつの間にか無くしてたようなので、新しく書き置きの便箋を作り直した。
これを砂浜に埋めておく。流されたら意味が無いので、念のため深く埋めといた。
想定では潮が引いた頃に、砂が流れて出てくるようになるはずだ。
次に流れ着いてしまったひとたちの役に立ちますように。