Eno.291 海賊

■ 大海賊バルディッシュ・バルバロッサ様の冒険記1

崖から落っこちて今度こそ死んだかと思ったら、知らねぇ島に流れ着いてた。
俺の悪運も中々のもんだ。



で、悪いことにここは見た感じ何もねぇクソみてぇなちんけな島だ。
船どころか、人が住んでるかどうかも怪しい。
あー、でも原住民みてぇなのが現れたんだっけ?
ま、どっちでもいい。
重要なのは船も無ぇ海賊は海に出られねぇってことと……



どういうわけか俺は骸骨になっちまってるってことだ!
だが俺は死んだ訳じゃねぇ。船乗りの直感が俺はまだ死んでねぇと言ってる。

勿論俺には骸骨に変身するような魔法は使えねぇし、
出来たとしても死体のマネゴトで遊ぶシュミはねぇ。
つーことは誰かの仕業、タブン魔法か呪いで俺の血肉が盗まれたってわけだ。

誰の仕業か知らねぇが海賊から盗むなんざぁ、いい度胸してやがる。
必ず見つけ出して縛り首にしてやるぜ。

そんで勿論、俺のハンサムフェイスも奪い返す。
こんなんじゃ港に戻っても女の一人も抱けやしねぇからな。色んな意味で。