Eno.340 灰戸カミール

■ 物思いに耽る。

不定期の集まりではなく、妖精に呼び出された時点で警戒するべきだった。
『最近、騒がしすぎると思わない?』
問いかける形だったが断言と変わらない。
あいつがそっぽを向いて話すとき、既に結論を出しているからだ。
『原因その二、自覚はあるんだろう?
というわけでお前が大好きな人間の器用意して人間が居そうな場所に送ってやるから、少しの間身を隠してくれる?』

何か言う間もなく器に突っ込まれて放り込まれた先がここだった。

完全な人間の体は重く、鈍い。
そこに存在するだけで命が擦り減っているような心地だ。
何もせずこの器が力尽きればすぐに戻れるだろうが、また同じように放り込まれるだけだろう。

仕方がない。
数日程度で飽きて忘れるだろうから、それまでは我慢するとしよう。