Eno.291 海賊

■ 大海賊バルディッシュ・バルバロッサ様の冒険記2

この島は食い物はそこそこあるが水が無くていけねぇ。
川か泉が見つかる前に干からびちまいそうだ。
これ以上干からびようがあるんならの話だが。



つー訳だからとりあえず水を用意することにした。
宝探しも冒険も、海賊が飢えて渇いてるようじゃ始まらねぇ。

昔鞭でビシバシ叩かれながら覚えたろ過装置と蒸留器の作り方が
こんな時こそ活きるってもんだ。
見習いの頃ババアに散々こき使われた甲斐があったぜ。
あの頃は仕事もキツかったが、オベンキョーが何より苦痛だったな。

真水が出来上がるのを待つ間、
色々思い出して柄にもなく懐かしくなっちまった。

さて水の入れ物は、まあその辺の木の実の殻で充分だろ。
無けりゃ無ぇで、布に滲み込ませた水を吸ったってかまわねぇ。