Eno.331 アイジロ

■ 1

目が覚めたら、知らない世界でした

『何が起きてもおかしくない』世界だから異世界の人が来ることはあっても俺が行く側になるとはね
生きてただけでついてると思いたい

この世界、かなり広く『つながった』みたいで、俺以外にも人がいた。
生きてただけで、と書いたけれど最初に声をかけてきたのは幽霊だというレイコ
元々死んでいたそうだが幽霊が流されたりものをもったり、異世界だなあ〜という感じがする。元の世界に帰るために死なないことが最優先なのであまり掘り下げられなかった
もう少し落ち着いたら聞いてみたいけれどどこまで聞いていいのかよくわからない
そのあたりは手探りで

二人目はカーシー少年
俺が服を乾かしてる間に島を探索してたみたいでいろいろなことを教えてもらったりテントや拠点を作ってくれた
頼もしいけれど一息ついて話したときに親が心配しているかも、と言っていた
年齢は聞いてないけれど子供だ
元の世界に帰してあげたい

三人目はミソニ
石と木で斧を作って木を切っているときに落ちてきたサメをなんとかできないかと話していたところに来た女の子
鍋を荷物入れにしていた。賢い
会ったのが夜だからかと思ったけどなんというか……肌の白さが気になる。
日に当たらないのとはまた違う育ち方……いや、予想で記録を残すのは失礼だろう
砂に文字を書く。話せないのだろうか

この島で一晩を過ごしたが、不思議な気配を感じる
今のところ俺が一番年上っぽいし多分戦ったこととかなさそうだから気をつけないと


野営の基本は食事、水、寝床