Eno.377 ガウラ

■ #001

気がついたらこんな孤島にいた。
なんでかはわからない。昨日まで何をしてたかも思い出せない。
そしてここに流れ着いた人は僕だけじゃないみたい。今日はそれどころじゃなかったけど後で話を聞いてみる。

今はテントを張って最低限の荷物を整理して、月の灯りだけでこれを書いてる。
どうしようもない絶海の孤島だけど、こんな場所でもたまにこの近くを通る船がある……らしい。

あとは特に書くことはない。
しいて言えば、むかし本で見たテントの張り方や火の起こし方って結構覚えてるもんだなってこと。
こうやって屋根(って言うの……?)のある場所が作れただけ運がよかったのかな。

このメモは後でボトルか何かに詰めてどこかへ流すつもり。
近くを通る船があるって話が本当で、ちょうど運よく良い人に見つけてもらえるっていうミラクルが起こらなかったらこれが僕の最後の記録になるかも。
僕がどうなるかは分からないけど、これを読んだ人にいいことがありますように。