Eno.442 スフラ

■ 一日目のおはなし(はじまりのこと)

子供はしらない場所にいました。

ここは周りを見るのがむつかしい子供でも、「みたことがある」ものが一つもないことがわかりました。

たとえば、辺り一面のおおきな水。
たとえば、瓶の中に入ったお船。
たとえば、まっかな……珍獣。

*珍獣のツイストドーナツ*を作ったところで、キファがまた見つけてくれたので、迷子ではなくなったはずです。

とはいえ、ここからはたして孤児院に戻れるのでしょうか。

子供のあたまはすこし足りません。
子供はお勉強をしたことがありません。
初めてのボトルメッセージは、ふしぎと文字を読むことはできましたが、意味をわかることはできませんでした。