Eno.83 なにかの群

■ なにかと遭難者達

この島には、それら以外にも流れ着いたものがいた。

少しの時間を共にすれば、それなりのやり取りが交わされる。
それらは幸いにして、人語を理解でき、疎通を試みることもできた。

群は助け合いを覚える。
元々知っていたのかもしれない。
遭難者達を、群れの一員と考えていただけかもしれない。

何にせよ群は、助け合いの輪に加わった。
作った釣り竿を使い、食糧の確保に努めている。
ワサワサという呼び名も貰い、それはやはり群れの全てに伝達される。

名を付けられることを、それらは好んだ。
人と共に暮らしていたものであるがゆえに。