Eno.114 デイス・ゼルタ

■ 空を飛んでいた?

ボクはさっきまで、電車にいなかった?


ボクの電車は、空を飛ぶ。線路はない。
不思議なことだけど、ボク自身も、
どうしてこんなことができるのか、わからない。

この空を飛べる電車は、ボクのたからもの。
そういえば、必要に応じて出し入れできたような気もするけど………ううん、頭をぶつけて、忘れちゃったかな。


そんな不思議な電車で空を飛ぶのが好きだった。
たまに客を招くことだってした。

ボクは車掌だけど、運転手でもある。
運転席には誰もいないけど、
空を飛べる電車は、ボクにしか運転できない。


ここ、暑いな。帰りたいな。