■ あしあと
「…………これ。」
「……私の(根性で履いているデザイン性100点機能性0点の)
靴の跡じゃない………よね?」
砂浜にそれを見つけたのは、ほんのささやかな偶然だった。
じぶん以外にも人がいるのかもしれない…!
あの日。
だいすきなお買い物の帰りに
電車でうとうとして…
気が付いたらこんなところに来ていたけれど。
このひとはどうなんだろう?
どうしてこんなところにいるんだろう?
どんなひとなんだろう?
なんて疑問はつきなくて。
砂浜に残るあしあとの隣に
そっとじぶんの足を並べてみる。
───私よりも大きい感じかな?
(いつか出会えるといいなあ…。)
それまでは、このあしあとを、心の支えにがんばろう。
…………
……なんて思った矢先に雨で足跡がきれいに消えて
しょんぼりするオチがついたのは、余談です。