■ 目が覚めて、一日
眠りと、後悔と、自責と、身体を動かせないもどかしさ…これを繰り返して何日か…それとも何十日か…
曖昧に頭だけ覚醒して、またまどろんで…そんなループの終わりは唐突に訪れた。
気付いたら傷もどこにも無いし、身体も問題なく動く。
そして全く知らない場所にいた。
地元も島は多いけど、一面の水平線を見る限りおそらく近辺じゃない。
………あの世かな。
最初はそう思った。半分諦めていた。見かける人…人?も微妙に人間離れしてるし。
ただ、身体が久々に不自由なく動かせるのは嬉しくて、考えるより先に役に立ちそうなものを拾い集めたり、便箋のメモを頼りに使えそうなものを作り始めていた。
そうこうしてるうちに同じように漂着したアキラさんと出会って、情報交換して、
ちょっと喋っただけなのに異常に喉が渇くことに気づいたりして…
お互い生きて帰るっていう、前向きな目標が出来た。
思えば、ちょっとハイになりすぎていたかもしれない…
そこから石斧片手に体力と物資のギリギリまで森を探索してしまった。
拠点で物々交換できたからいいものの、弱りきった状態で食べも飲みも出来ないものを抱えて
きちんと交換に応じてくれる人が出るのを祈るのは生きた心地がしなかった────まあ、ここ最近ずっとしてなかったんだけど。
そこからは雨が降って、雨水が割と問題なく飲めて…少し好転した。
アキラさんの方は大丈夫かな。あっちも今のうちに貯水出来てるといいな。