Eno.144 クロウラー

■ 8/10記録事項

——こちら本体より離れた個体、番号144、現在地は不明。
先ほどまで新しい住居を探して探索していたはずが、いつのまにやら周囲は海ばかり。

我々の本体に快適な居住地は日の差し込まない涼しい洞穴。
この環境は分体とはいえ私にも堪える。
しかし探索しつつ帰還を目指し、本体へこの迷い込んだ新天地の情報を提供しようと思う。
できることなら無事生還したいものだ。たとえ本体に影響がなくとも、私自身が分体であろうと、死や苦しみは避けたいもの。私もクローンとはいえ一つの生命であることに変わりはないのだから。