Eno.47 冬月舞

■ 新しいメモ

この島に流されて、丸一日以上が経った。
ようやく日記を書く余裕が生まれたから、書くことにする。
てか目が冴えて眠れなくてさ。
こうしてスマホのメモ帳と向き合ってる。


そういえば入りそびれたけど、明日こそはお風呂入ろ。
布を濡らして身体拭くくらいはしてるけど、やっぱり気になるもん。


島に流される前後の記憶はなくて、色々脈絡のない場面の継ぎ接ぎになってんだよね。

みっちょんもさくさくも無事かな。
ウチのこと、心配してくれてるかな。
してくれてるだろうな、優しい子たちだから。

正直、けっこう動揺してる。
当たり前じゃんね、高校生のガキがさ、いきなりこんな島に飛ばされて、知らない人たちとサバイバル生活しろなんてさ、
精神的にも肉体的にも負担でしかないワケじゃん?

だから多分、普段以上におかしくなってて、皆に迷惑掛けてんじゃないかとか、思っちゃうワケ。

はっくん弄るの好きだけど、嫌われてないかって心配だし、
たぶんお昼のとか、ウチ超可愛くなかったよね。
なんでムキになっちゃうんだろ。自分でも分かんない。
でも何か見せてくれるっていうから、楽しみにしてる。

リーちんとワンちゃんはずっと頑張ってる。
なんかこう、相棒って感じがして眩しい。
バイタリティが違う感じ?
でも無理させちゃダメだよね。
ワンちゃん、夜ぐったりしてたもん。

くっしーは実直で優しい。
ああ、いい子なんだろうなって、きっと誰でも分かる。
皆のために真水を作ってくれてる。
この島の生命線だね。
でもきっと、もう少し我儘になったほうが、君のためだよ。

プラたんもななちも見かけによらず、ガッツリサバイバルに順応してる。
すごくない? ウチには無理。なんか今まで、緩く生きてきたツケなのかなぁ。


中学生の弟がいて、コイツがまた無愛想で。
なーんか、斜に構えてる感じ。
そんなんじゃやってけないよっていつも説教かますんだけど、ウチもダメダメだったね。

でも、それでも、どうしたって、明日も、明後日も、やって来る。
うじうじしてる暇なんてないじゃんね。
だから、せめて明日も明るく、がんばっしょい!★