■ 漂流2日目
漂流2日目。雨が降りそうな空模様だったから
少し無理をして木材を集め、小屋を建ててみた。
もう一生分の運動をしたような気分だ。
因みに後にサナさんがもう1軒建ててくれた。
ひとまず風雨に悩まされることは無いだろう。
途中雨が降ったから雨水を集める装置も作成。
ラートくんが作った砂浜で蒸留を行う装置も含め、
飲料の問題は多少改善しつつあると信じたい。
食料問題は同じくラートくんが作った罠や窯に
加えて、ヒロくんが料理に励んでくれている。
彼は薪割り用の刃物さえ完成させてくれていた。
軌道に乗るまでの食糧や水はフェリくんが沢山
用意していてくれたのも助かった。
……筆が、止まる。
(助けてもらってばかりだ。食料も、飲み水も。
私は何か自力で完成させられただろうか。小屋を
建てるにはヒロくんに資材を提供してもらった。
後に私の助け無しでサナさんも小屋を完成させた。
雨水の収集装置はラートくんのお陰。そもそも
自力で集められる水も食糧も足りなくて、皆に
分けてもらって……)
(私、は……)
……
…………
島の環境は急激に改善している。明日を生きられるか
不安に思っていた昨晩がまるで嘘のようにさえ思える。
私は皆に助けられて生きている。
それを喜ぶのは皆が漂流した不幸の肯定だろうか。
であれば口が裂けてもそんなことは言えないが……
それでも、皆への感謝だけは忘れたくないのだ。
……先人に倣って役に立つ文を残すつもりだったが、
これは……ただの日記だな。せめてメモを足そうか。
◼︎メモ
・海水は蒸留で、雨水は蒸留か濾過で飲める。
容器となるプラ材は絶やさないようにしたい。
・食糧は火が用意できるなら岩場で拾いたい。
釣竿があれば更に捗る。
・森の食べ物は口が渇いたり危険なものもある。
ハーブのような草は薬草？
・砂浜は漂着物含め素材が色々拾えるみたい。
金属材は岩場の方が漂着量が多いかな。
◼︎簡単なレシピ
・火口→種火→焚火
→刃物と燃えるもの(木材や落ち葉等。落ち葉は
木材より燃えやすい)。焚火にまで成長させるには
そこそこ時間がいる。焚火は消える前に別木材に
移せば長く燃えるかな。
・即席ナイフ
→木材、プラ材、鋭利なもの(ガラス片、金属材？)。
研げれば切れ味が上がって鉄斧を作る助けになる？
・石斧
→石材、木材、刃物。木の伐採に使える。
木材は燃料としても使うため安定供給は嬉しい。
・蒸留器
→プラ材、焚火、海水、容器(タライやドラム缶)。
飲み水の確保に便利。出来るだけ優先したい。