Eno.179 チック

■ 1日目

この島にひとりぼっちなんじゃないかって思ってたけど、意外と人がいた。
しかも、私と同じように流されて来たらしい人ばかりだ。
(人じゃないのもいたような気がする)
途中拾った便箋によると、ここは孤島のようだ。

とりあえず、島全体を歩いてみた。
丸一日歩きだけで移動するなんて滅多にしてなかったから、かなり疲れた。
でも今日作ったもので、どうにか飢えや乾きは回避できそうかな。
……ギリギリだけど。

この島に流れ着いているものは、よくわからないものが多い。
便箋にあったレシピのおかげでなんとかやっていけている。
相当遠くまで流されてきたのかな。私。


流れ着いてすぐは、すごく怖くて、不安で。自分の事ばかり気にしちゃってたけど……

話しかけてくれるひとがいて。
不安なのは自分だけじゃないって、当たり前のことに気付いて。
助け合えるのが嬉しくて。

まだまだ慣れないことだらけで、怖いけど。
明日からは、もっとみんなの力になれたらいいな。

眠る頃には自然と、そう思えた。



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‐今日のメモ‐


・ルガDさん

この島で最初に会ったひと。勢いにびっくりしちゃったけど、同じような境遇とは思えないくらいの元気さを、少し分けて貰えた気がする。
……こすぷれって、なんだろ……


・アルワさん

羽根をもがれるかと思ったら、腕をもふもふしてきただけだった。
本当に怖かった……でも、彼女もきっと、今の状況で疲れていたんだと思う。ちょっとでも癒しになれたなら、よかったかな。


・月蝕さん

なんだかオーラが凄いひと。輪っかがあるから天使さんなのかも。
ちょっと緊張したけど、月蝕さんもみんなに助けて貰ってるって聞いて、少し親近感。
サメのお肉と一緒に、たき火でお魚を焼いてあげた。


・ケイスケさん

様子が心配で声を掛けてみたけど、どうやら大丈夫だったみたい。
気を遣わせてなければいいけど……
自己紹介したら、あだ名で呼んでくれた。いつかの日常を、ちょっとだけ思い出した。


他にも声を聞いたり、通りすがった人もいたけど、いつかその人たちとも話せたらいいな。
拠点の人ともちゃんと挨拶できなかったし……。