Eno.149 倶望院 朝顔

■ 令嬢、漂着す

青い空、白い雲! そして目の前に広がる広大な海!
これがバカンスでしたら最高のロケーションでしたが……
悲しきかな、わたくしは今この無人島で遭難しております。

───とある嵐の夜のこと。
我が社の新製品『荒れ狂う海の上でもばっちり聞こえる爆音目覚まし君』の機能テストのため、
わたくしと数名のスタッフは自家用ボートで海原へと繰り出しましたわ。
そうと謳ったからには荒れ狂う海の上でもばっちり聞こえることを証明しなくてはなりませんもの!
しかし思った以上に嵐の勢いが強く、ボートは転覆。
わたくしとスタッフ達は大荒れの海へと放り出されてしまいました。

目覚めた時、その場にいたのはわたくしだけ。
スタッフ達の安否が気になるところではありますが、まずは己が生き延びることを第一に考えましょう。

「何があろうと、必ず生きて帰ってみせますわ!」