Eno.387 的場 汪介

■ ここに来るまでのことと島の連中について

仕事を終えてファミレスを出たらいきなりハイエースでガラを攫われた。
どうやらこいつらこの辺を仕切ってる本職らしい。
ベンチャーだとか言ってケツモチもつけずに派手にやりすぎて目ぇつけられたらしい。
とまあ今でこそ冷静に振り返ってるけど、あん時はマジでテンパって何も考えられなかった。
怖い兄貴に両脇固められてて終始無言なんだよ、交渉とか言い訳とか一切ねえぞってのがバチバチ伝わってくんの。

でまあ埠頭に着いたら一発ぶん殴られてなんかボートに乗せられて沖に連れ出されてさ。
いよいよ逃げ場がなくなったところでぶん殴られながら鬼詰めされんの。
うちのシマでよぉハシャいでくれたなぁとかなんかそんなこと。

まぁ、わかってる。
ごちゃごちゃ言っているが連中の結論はうちの部隊からアガリを寄越せってことだ。
この暴行は仕事の話をする前に上下と恐怖を仕込むって言う、連中なりの「よろしくお願い致します」ってやつだ。

クソ喰らえだ。
お前らみたいな三下に搾取されてたまるか。
うちの連中を任せられるか。
よせばいいのにそんな負けん気を出しちまって、俺はまあ隙を見て海に飛び込んだわけさ。
とりあえずこっから逃げ出そう、どっかには流れ着くだろう、なんて緩い目算で。
まあ追い詰められて頭イカレてたんだろうな。
クソうるせぇ波音とそれに紛れた遠い罵声とが最後の記憶で――。

――気付いたらこの島にいたってわけだ。

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今の印象

Eno.2
アキノキ
活発な猫っぽい子。
その耳なんなの? マジモンなの?
楽しみにしていたイカ焼きくれたのが嬉しいやら申し訳ないやら。
礼を失したことを言ったかもしれない。

Eno.44
元ダッフルコート
まだ名前聞けてねぇ。
使ってる言語が近いので話しやすい。
楽しそうにサバイバルしてるのが精神衛生に良い。
冬から来たとか言ってたけどどういうことだ?

Eno.45
金髪の嬢ちゃん
名前まだ聞けてねぇⅡ。
なんか独特な喋り方の子。
晴より雨がいいなんて言ってみたり、妙なこだわりを感じる。
あとこの島に変な名前付けた奴。

Eno.73
ミミ
朴訥とした喋り方の子。
かなりのマイペースだが、ちゃんとお礼の言える良い子。
その耳なんなのⅡ。
あとスルーしちまったけどその斧何?

Eno.103
逢樽
アクティブに動き回って魚とか取ってきてくれてる。
資源の融通なんかにも積極的でリーダーシップもある。
今のところ、頼れそうな奴という印象。

Eno.155
イワンの旦那
やたら落ち着いたガイジンのおっさん。
物静かで、淡々とやるべきことをやる人って感じ。
ただ、なんかきな臭い印象なんだよなぁ……。
え、あれで年下なの!? 嘘だろ!?

Eno.403
久木沢
ちょっとオドオドしてるな?
まあいきなり打ち解けられる奴らの方がおかしいって言えばそれはそう。
独り言でおどけてるのはちょいちょい聞くし、根は結構剽軽なのかも。
なんにせよよく見といたほうがいいかも。

Eno.415
アル
めっちゃガタイいいな!
タフそうだしサバイバル慣れてるらしいしめっちゃ頼れそう。
あとなんか靴の造りとか工場製っぽくないけど、マジどっから来たん?
その辺聞いてみたいけど、なんか記憶がないとか言ってたよな、大丈夫か?

Eno.420
まだ出会っていない
最初の晩、もう一人くらい気配があった気がしたけど……、気のせいか?
いるなら早めに合流したいところ。
なんにせよ一人で生きるのはキツそうだから。
資源的な意味でも、精神的な意味でも。