Eno.30 グリンコット

■ メモ③

ついに日を跨いだ。
何日生きれば救援がくるのかとかわかんねーが、この分だとヨユーで生き残れるな。
チョーシにのって長話なんてしちゃってよ。

あァ、人と話すのは好きだよ。
でもとりとめのねェ話は久しぶりだ。
ここにくる前の会話なんて
堅ッ苦しい会議だのお得意さんへのヨイショだの。
なんつーか、ホントは向いてねェんだ。こういうのよォ。

でも、そういうのでもこなしたから今まで生きてこれたんだな……。
まァいいか。この話はこんくらいにすっか。

あァそうだ、今日は釣りしたよ。
調理はシキの嬢ちゃんにやって貰ったが、なんかちゃんと貢献したって感じするな!
あとは水の浄水と……在庫管理か。
つまりは倉庫番ってわけだな。
なんか無人島に来たッつーのにやってることが前とそんな変わんねェのな。

まァ俺は俺が可能なことをするしかねェ。
……しかしやっぱこういうサバイバルも全然向いてねェな。俺。
結局のところ経済社会での生き方しか出来ねーってことだろう。


●シキ
だいぶ分かってきたよ。恐らく俺をからかうのが面白いんだな。
でも仕事はキッチリやってくれるしハッキリ物をいう。
部下に居てくれたら嬉しいタイプだ。
無論、部下だと思ったことはねーけどな。

●イガラシ
よく考えたらキビキビと仕事をこなすけど
こなすだけこなしてパッとどっか行っちまうんだよな。
怪しい……が、深入りしてもしゃーねェか。向こうの都合もある。
あと今日はうっかりな一面もみれた。ちょっと安心したわ。

●時乃
今まで赤い線の模様が入ってたと思ったが
生々しい切り傷だったよ。驚いたな。
ただ事ではない感じだ。
……ただそれに焦っていきなり詰め寄りすぎて恐がらせちまったかもな。失敗した。
まァ今日は近くまできて名前も教えてくれた。
とりあえず一歩前進だな。そう思うことにするよ。