Eno.256 ブックエンド

■ DAY2/AM10:00-アーカイブ

ブックエンドの1人目のマスターは開発元だった。

科学者が得てしてそうであるように、
彼らもまた蘊蓄とウィットに富んでいた。

だからその”新商品”の名前を付ける際、
彼らはこのような意図を込めた。

ニンゲンひとりの人生を物語と捉えた時に、人間社会とはきっと本棚のように在る。
そして労働の時代は終わり、これからはAIやロボットが人間社会を支える存在になるのだ。

であればこのロボットには、こう命名すべきだろう。


ブックエンド。”本立て”。

そこには今後のAI産業の発展と、
人間社会の繁栄に対する祈りがあった。

(tips:ブックエンドはスリープ状態に移行する際、電気羊の数を数えない。)