Eno.29 ハク・エセルバート

■ 2日目②『夢』



…夢を見ていた。


黒い空に、白くて大きな月が浮かんでいる。

星は流れ、人魚たちは歌い、虫や花が踊る。

…俺は、それを白亜の城から眺めている。




…ここはどこなんだろう。天国だろうか。




ぼんやりしていると、黒い執事服を着た金髪の男が、目の前に何かを置く。
それは…桃色の、ぐちょぐちょした塊。
吐きそうなほど気持ち悪いそれに、俺は白い腕を伸ばす。


引き寄せ、そのままひと口。


噛むと、まるでゴムのような弾力がある。
…いや、肉とか、そっちに近い…?

肉厚で、鍋に入れたら、美味しそうな……。






…待って。

待て待て待て待て。


まッッッず!!!
…はぁ!?これ、キノコじゃないの!?



……………

………





……って、ところで目が覚めた。



うわ、最悪…。ただの悪夢じゃん…。

起きよ…。

-2日目② 日記終-