■ 少年の記憶──00
────……朧げな眼がゆっくりと開く。
薄雲のかかった意識が最初に捉えた感覚は『頭が痛い』だ。
いっぱい寝ていたからだろうか。寝ることは成長には良いが過ぎると苦痛にもなる。
……でも、どのくらい寝ていたのかもよくわからない。
前にも同じ事があった気がするけれど、どこか違和感を感じる。
辺りを見渡せば、そこは覚えのない浜辺。目線の先は一面の青い海だ。
"ここではない"──と心がざわつく。だって……
「──と───がいない……」
──…あれ?ナニとナニがだっただろうか。
己が零した呟きなのに理解ができない。
そういえば、自分はどうしてどうやってココにいるんだろうか。
何故だか思い出せない。