Eno.170 アルザス・リースリング

■ シーエルフの好奇心

海岸の風呂が使えるようになった。
北海地方生まれのシーエルフは総じて熱に弱いため、俺は警戒して使えていない。だがもしかすると人間と同じように入れるんじゃないか?と考えるとそわそわする。


この島ではいくつか不思議なことがある。
まずは認識能力。元の世界ではプラスチックなど知らないはずだが、水をくむための道具をプラスチック片と理解できる。どうやら知らないものを認識できる場所のようだ。
次に、常識が通用しない。シーエルフなのに海水が飲めない。海と生きる俺にとっては裏切られたような気分だ。泳ぐ力は健在だったが、人間の素潜りと変わらないような気がする。

ここは随分と不思議な場所だった。だからラドワも俺を見つけられないんじゃないか?
……なんとしても脱出をしなければ。仲間の元へ帰るために。



それはそれとして。
水の代わりに木材を貰っていたら木材に溺れた。プラ回収班頼む~~~来てくれ~~~
※来てくれることになりました