Eno.103 逢樽 颯

■ █月█日から、2日目。

いやあ、昨日はやることがいっぱいで忘れてしまったな!

ただでさえ徹底的に社会というものから隔絶された空間だ。こうして日々を記録しておくのも人間としては重要な行動だろう。


最初は現実味が薄くて「遭難なんて非日常的イベント、楽しむしかない!」と浮かれてたものの……当たり前のように無害な水を飲み、おいしいご飯を食べられていた普段がどれだけ恵まれていた生活かって思い知らされたよ。だって好きなときにガムを噛めないんだもの!

とはいえ、この孤島生活。辛いことだけじゃない。

今まで飢えに苦しまず、寂しくなく過ごせているのは共にこの島へ流れ着いたみんなが居たからこそ。
人と言う字はどうたらこうたら……とは言うが、いや良い経験をさせてもらっている。


みんな無事に、帰れたらいいのだけれど。