Eno.157 空飛ぶお嬢鮫

■ 2日目

漂着から2日目を迎えた。

小さな島ではあるが、幸いにして資源には十分な余裕があり、
水や食料の不足に伴うコミュニティ崩壊の心配は無さそうだ。
同時期に現れた4名の漂流者とも意思の疎通は概ね支障なく、
生き延びる為に協力し合う点で問題はない。

環境が安定した以上、今後の方針を練らねばなるまい。
あのボトルメッセージによれば……いずれ遠くなく、この島は沈む。
私とヤドカリ氏はともかく、他の3名は海に放り出されれば耐えられまい。
無論、仲間の危機を座して見過ごすつもりはない。
アクアティカ家の名に賭けて、私は誰も死なせはしない。

……やはり、イカダを作る必要がありますわね。全員が乘れる大きさのものを。