Eno.205 砂介仁

■ 夢


ぼんやりと、おぼろげな世界が広がっている。
そこは会社の一角。俺の席。
また泊まり込みの作業で、仮眠を取ろうと
机に突っ伏していたのだろうか。

のっそりと起き上がると、誰かがすぐそばまで歩いてきた。

「砂介さん」

曖昧な声。霞がかった顔。

「あのさぁ。次の会議に必要な資料出来てないんだけど。
昨日までに提出するって言ってたよね?」

あれ、そうだったっけ?

「ていうか、あれも出来てないし、これも出来てないし。
そもそも会社に無断で欠席してたよね?3日も何してたの?」

あれ、そうだったっけ?

「役立たず」

あれ…?

「もう会社来なくていいよ」

……

「ていうか、そろそろ■んだら?」

…あ…

…………れ…?

……………………

…………………………………