Eno.216 真月姫 瑠璃子

■ 1日目

するどい陽射し。潮の香り。
 見知らぬ砂浜に、わたくしはひとり。
 
 船の屋内プールに寝そべり、空を眺めていた。
 覚えているのはそこまで。

 いったいなにが起こったのか。
 霞がかったように何も想いだせない。

 身体のあちらこちらがひどく痛む。
 命があるだけ幸いと想うべきなのだろう。
 
 ここはいったい、どこなのだろう。
 わたくしに、いったいなにができるのだろう