Eno.290 カスタ

■ 島でのできごと2

・二日目のこと

拠点がなにやら賑やかになっていた。

「あの女の人歩けるようになってよかったなぁ」


酸味のきつ過ぎる木の実を押し付けたことをまったく気にしていない女。


まともな食糧が尽き空腹のまま眠りについたが、目が覚めたら焼き魚を恵まれていた。匂いから島で見かけていた箱のおかげと判断する。

「魔法の箱だぁ…」


欲しいものを出してくれた箱を勝手にそう決めつけ、さらにはその不思議な箱の声を聞いたのは己の魔法の力が高まったからだと感じる女(気のせい)


砂浜で缶詰の神殿(のように女には見えた)から物資を拝借した。

「もらっていいかな。いいよね。ラッキー」



謎の円錐にかじり付いていたサメを喰らい、おもむろに円錐の穴に枝をさした。

「肉! ついてるぜ! なんか枝も使いやすくなってついてるぜ!」



不思議な存在たちから恵んでもらった物資で銛を作り、岩場で狩りを行う。初狩猟。

「うおおぉ! うおおぉ!」


己の手で獲った魚を焼き、むさぼり喰らい、白目をむいて感動に打ち震える女。


森で魔法の箱(女はそう認識している)に丸太を添えたり人に焼貝を押し付けたりした。

「燃料だぁ~あればあるほど嬉しい~」


焼貝を押し付けた女性の微妙な表情に一切気付かず木材をもらえて喜ぶ女。