Eno.478 リーフェ

■ 二日目:サバイバルの心得

「お水……雨が降ってるうちに貯めておかなくちゃ。食べ物も心許ないし、節約しないと……」



無人島に漂着して二日目。呑気に構えていたリーフェも、流石に身に迫る危険を認識し始めていた。
食べ物を手に入れるのも、調理するのも、飲める水を集めるのも、その容器を探すのも。動くには体力が必要で、動けば動くほど消耗する。そして、動いても必ず得られるとは限らないのだ。
今日はたまたま動けなくなっていた所を通りがかった人たちがお水をくれて、生きながらえることができた。でも、大変なのは皆同じなのだから甘えてはいられない。

「しっかりしなくちゃ。助けが来るまで、頑張らないと」



生命線になるのは、やはり水だ。食べ物は幸いなことにこの広い海が少なからず恵みを与えてくれる。明日こそ、海水を飲める水にする道具を作りたい。

「浄水かあ……服で浄水ができたらいいのにな。……うん?そっか、サバイバルに耐えられる服のヒントになるかも」



リーフェの頭にポンポンとアイデアが浮かぶ。残念なことにカバンに詰め込んでいた素材たちは流されてしまったようで、ここで実現はできないだろう。でも、生きて帰ることができれば、きっと。

「うん……うん!元気出てきたかも!絶対このアイデアを持ち帰って、最高の服を作るぞ~!」